・とじている(2003/10/1) ・はじけるまえに(2003/12/14) ・はな(花)は(2003/12/27) ・森園(2004/5/21) ・ゆめのはな(2004/9/4) ・それよりも (2004/10/11) ・F1(2004/10/11) ・はな ふる(2004/11/3)(花が降ってきた・改題) ・る ぞや(2005/4/6) ・やいかやいに 〜くさらくさ〜(2005/4/8) ・かぼちゃのたね(2005/7/24) |
きょうはしずかだ。 たいようのひかりもさんさんとおとなしい ただあかるくあたたかい てきとうな かぜ てきとうな くも てきとうな そらのあおさ こうしてなにもせず りそうてきな いちにちは いつもなら りそうてきに と おもうようにおわる なにものぞんでいないけど こんなにいいひなら ありがとうと てきとうなだれかにいってみたかったなあ とじている ゆりのはなは ひゃくねんたってもさきそうにない わたしのはなではないのだし すこしのたのしみに ながめているだけだなあ
つぼみだと おもって ときおり のぞいていた あおいかたまりは いずれ かれて はじけるもの だったらしかったか あるいは ひかりのえいようしっちょうで つぼみ になれず はっぱ にもなれず ねもと のほうから ことしは もう と あきらめ られてしまい はいいろの ひび を すごしてきた ものだったかろうか みきわめる とも みきわめる ことなく あるひ ばっさりと きえさった きりくち そこからつづく くきは あいかわらず うなだれてはいたが まるいねっこ のほうは そんなことちっともしらないようだった
はな は しっているのだろうか は と ね がないと さかないことを さいても いつかはしおれることを み にもならない はな には あまり いみがないことを
(まよいこんでしまった)* えーん えーん 続く 景というにはあんまりな色 ここが果てかと思いきや もりもり途が拡がっていくのだ わさわさ ざわざわ 園の中ではそうどこへもいけないだろう 森然たる生草の中を歩いているのだが どこかで終わるだろう どんなに迷っても えーん えーん と鳴いて いやというほどの緑だが わさこんわさこん 息を吸う 輝やく葉のすかされた清清しさ 逞しい幹や強かな根のことは俯角忘れて しかたない だっていつも見上げている ただそういった視点その通過なのだったが 花も実もキノコさえも見当たらないのは ただそういった視点その通過なのだったからだ えーんえーん と続く・鳴く 緑々と 創造物の余裕で呼吸が 出来るようにつくられない 光と向かいあうとき 私だけがつくらない なにか 足元に偽の池があって ほかにない色をし ていた手をぬらす 掬ってみる飲んでみる顔洗う ぺちゃぺちゃ浴びて 肩まで浸かって いけそうだと おもったの で飛び込 んで み 水 の 藻 藻類 いいや ウミユリ 更に奥には 色とりどりの森 混じらない幸せは やはりひたすらに作りし晶 いくつも重ねて確かなものに なっていったものを ひとはうつくしむ のか 土に埋まったかをから根がでる あたらしい朝 私を糧に 光をうける葉のための茎がはゆ 森々と 園土
きょねんの はな は どうなっていたか かわいらしい せたけに ひらく しろいもの さんぽの とちゅう はっ として ふりかえる その はなたち は あらかじめ うえられたものではなかったか ひかげがち の いっかくに ひくい き の うしろから にょい にょい、と くき を のばし さいていた げんきそうな まぶしい しろいはだ よかったね と うなずくさき きょねんの はな きっと はな だろう と しんじていた はな わたしの せたけくらいあろうかという ながい くき だ みどりの やつでば を かいくぐり おおきなつぼみ を つけて ひ を のぞむ それは ことし のことだ ほかの はな が ほこらしげに さっぱりと ころもをぬぎすてた どうどうと ひのひかりを あびる ただひとつのこされた しべ ずっと とまらないおんがくを かけつづけている よるの うしろのほう すきっぷをしたくなって そとにでると すごい ほころぶようにわらっている ひかげ で ある こちらを わざわざむいて おれたち やったよ といわんばかりの しろいはな はだぬの を ひろげ わたし を ながめてくれた よかったね よかったね すこしなきそうになってしまって すきっぷをしにきたことをおもいだして おんがくを てにかかえながら こおどり まわる よるのみち あのはなも もうそろそろ さっぱり しているのだろうと ついさっき のぞいてみた みどりの やつでばの たくましくある うしろ さっぱり と きえていた どこへ さがす さがす ない くき が くき が は が うちすてられてさえいない すっぱりと いなくなってしまった あれは ゆめ だったのだろうか かれた えだ の ような ね に ちかいところは なにも いってはくれず いつか いつか ゆめのはな は わたしがさいたことをわすれないでと つたえにきてくれたのだろうか この はな をおもいだすたび きっと よかったね よかったね と いう それだけ こころ うごかされたのだ それだけ うれしかったのだ なきながら いつか いつか さく はな だったと とてもしんじていたかったから そして そうであったから
ことしの はな を みうしなって あさ しんぶんかたてに おれた まだみどりいろのくきを みつけた となりでは おなじようにかれた くき ふたつはならんでいる それよりも すこしふとくなっていた ほかのしべたちに 男物をおもわせるような ふくらみに にやにやしながら きづいてがっかり きょねんの はな は やはり はなではなかったということ それよりも くさは はい はえ のびて さき みのり とおくへ ふえていく どこまでつらなっていて どこからつなげるのか わたしは この あるもの たちが みのった ところをしらない 熟したあとの ちいさな いのち を しらない
おいしいための一生を 一年草は くきを枯らすまでわたしたちのために そのこどもたちがまずうまれることはなく かれらは生きて死んでも 生涯こどもであることにかわりない すばらしすぎる最強のこどもたちであったかれらのこどもは その一面をのみうけついでいく おやのもつかぎりなく多様な性質の一面のみ咲かせ それはあまりおいしくはないこどもなのだ おいしくなるために ともすると 気のながい世代を待たなくてはいけないのだ それをわたしたちはあまり期待しない だからかれらはさいごの子供だ すべて応えて一生をいきる ふやし繋げなくとも あとからまた仲間がやってくるのだ かれらは安心してさいごの子供として 生きおえる わたしたちはかれらののこしたおいしいものをのこさずたべていようではないか かれらのライフワークを すごいはやさで きそい かけぬける 若い女性の1フラグ は このつよいこどもたちと同じようによばれている ゆりのはなをみながら かんがえたことは かの はな の フランチャイズ増殖の手法を おもいだすことで よそのほうへ きりはなされてしまった
はな はらはら はらはら らかに はらと はな はなはな やかに はな はなはな はなはだ なかにけ けけ いろどられる しき たちのぼる ののはなの きぎの さかるさく はなの ふる ふるきは ひらひらと はなくずにあせていく さき さかれ さく ちりる すふと なにものも しょくさず かれり さふと かぜの あるいは あまかわの さらうあと はなはなく なくなってしまったはなの くちはなの よみのくにでは ふりかえってはいけない やまぶきの きいろ ねたまないで やみにひかっている はな はらはら はらはら らかに はらと はな はなはな やかに はな はなはな はなはだ なかにけ けけ いろどられる しき たちのぼる
る ぞや のにみいに のちそにゆ なくもまい やぞくいいゆ がらたみつや よさぎすおや いらかりずん ぬされえろん そくも わかかざ みくと とれかざ からも をどいざ ららか かくいざ あさ こめ もやみ は さ た みす やみ
さくら さくさく ららら さくさく くらくら さくら くさらくさら はらそいよやの さらくらさ たかもかぎぞに (いら さざやく) みかわりすくみ すくかずおいいる やいか やいに みざざんゆ さらくさら さらさら くらさくく くさらく さらくら さくら くらさないか らくさ さくさく ららら らくさくさ く さらく さらさ ららくらさ あかみぬがなの さらくさらく てもとれたもちぞ (いら さざやく) めをとえみ もどれろつまそや やいか やいに みざざんゆ さくな くらくら らくさ くさくさ さくら さらさら さらさら くくら さささ さらさら くくく らくらく ららさ ら くさ ら さく さら ららら
かぼちゃのたね あれは ある朝のことだっただろうか おれ達のすまいは おおきくゆらいで破裂した うわさでは家付きのまま どこかとおくへゆられていくらしいときいていたが 乱暴に家の内装が黄色いことをしらしめされ むきだしの紅顔に白い鋭い歯は 破壊の残骸を好き勝手に片づけ始め 毛はむくむくと去っていった、とりあえず おれ達は放っておかれることになったが あとからやってきた よわいちいさいのが はらからどもをつまんではいなくなって おれも どこかへ旅だつことになった おもったよりもちいさい腹のなかで おれは 噛みくだかれたのだろうか? そのあたりの記憶はないが ほかのがらくたと一緒に 小さなすべり台をするっと下った そとにでると おれとそのほか は とても臭かった かさかさした死骸の山に置き去りにすると よわいちいさいのは あかい尻を見せどこかへいってしまった 家をこわされたときからずっとおもっていたことだか そとは随分さむいんだな うんちは臭いがつちのいろに似ていて ほかほかしている おれはここに根をおろしてみることにした 芽よ!芽よ! おれの根よ! もたげつがう二枚の緑よ! どうかこれからのおれのために ひらいてはくれないか うんちに身をつつみながら おれは一心におもった