雨のこと






・いっせいに(2003/10/14)
・にじのでるまえ(2003/12/5)
・よるのあいだに(2004/1/24)
・(無題)(2004/10/5・6)
・ぽたぽた(2004/11/12)
・わわく ろらん(2006/01/25)


いっせいに


すごいおと
(10月13日14:XX、この辺りは強い雨に見舞われた。)

いきおいよくなみだがふってくる
いやな予感がしていたけど
そらが 大泣きしていたので
なきやむところをみようと じっとしていた

べらんだにあったものはぜんぶもうつやつやで
そとからとおい このへんまで びじゃびじゃしぶきがとんでくる
そらは いくせんもの め から 大量のなみだをながす
かぜが なみだをあおっていて
 ざあざあ なきすさんでいる
そんななか くるまたちはどんどんおかまいなしに走っていくので、
そらも すこし ようすをうかがっているようだったが
  しとしと ごうごう しとしとごうごう
むかいのまんしょんから だれひとりかおをださないので
   しとしと ごうごう しとしとしゃぅん
くるまのいききがなみだのじゃまをしていて
  ざあざあざあざあ さらさら
いまはそっとしてあげてよ
 しとぴんちゃん しとぴんちゃん
のきからたれおつ なみだのよいんにめをやって、
なくのがおとなしくなったのだと おもいこみたかった
  ざあっ さらさらさら ざあっざあっ
くるまの走音は どんどんおおきくなって、
なにもできない
もっと、しずかにしてやれないのか!

いっせいにおとがやんで、いっしゅんしずまったけど
  そらは あきらめずないていた
わたしはつらくて もうながめていられなくなってしまった


(じきに止むだろうと思っていた雨は更に激しさを増し、窓を叩きつけ雷鳴轟かせ、県内に大雨警報をもたらした。
電車の各路線で一時一部区間の運転を見合わせざるを得ないほどの豪雨だった。)

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にじのでるまえ


おいかけなくって いいそら
だってほら ゆめはそのさき

 しらんでいる しらんとしている
 あまおとは やんでしまって
 きぎにしずくが
 ぼんやりとてらてら
 はいごからやってくる 
 あたたかな こうせん

はなみず や はながみ のように ほうりだされる
どろみずは やってられるかというふうに ふてくされて たまって
 
 それでもそらはぶきみながらにすっきりとしていたのだ。


’おおきくよこたわる とかげのようなもの ’
ここからはきっと みえない



きぼう ということばは もともと
 うすいのぞみ  、あるいは また
おともなく とおくをみつめる といういみだったかもしれない

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よるのあいだに


よそうだにしない マンドリル
よろこんで まにうける

よいどれは たちどまる
よこはまから くる
よつやに くる
よりによって なぜ ここにいる
よみすての ゆうかんてにとる
よれよれ とほうにくれる

よくしゃべる おさる
よばれてとびでて しゃしゃりでる
ようき に うかれる
よく が でてくる
よからぬかんがえ めぐらせる

よりかかる
よけられる
よみまちがえる
よゆうでさられる

よろよろ らりる らりるれる

よほうがはずれて あめがふる
よみうり まけてる
よけいに こたえる
よそみして ころぶ さる

よよよ らりるれる らりるれる


ようじんぶかく あたりをながめる
よのなか は きょうも ながれている

よいどれは たちどまる
よりによって なぜ ここにいる
よわき だったが あきらめる
ようやく あめが おさまってくる

よっこら べんちにこしかける
よりかかるねいき マンドリル
よほどつかれたか すぐねむる


よどみなく ゆめのなか あかつきに ひかる
よじごじゅっぷん つきならとうにとけている

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(無題)


ほぼ垂直に 多量の
多毛のやわ毛の
みあげる
どこに落ちてくのかわからない
ほそい線 線
横なぐりにおどり 頬にぺちっとあたる

傘の中は温かくベージュ

大いそぎでみちを通っていく小川
下へ下へとすごい勢いで行き先をさがすのだ
これが普通か、と はねっかえりにズボンをぬらし

これは一人の視えること

さて 窓ぎわだった
真みずの波の
順を追って
黒びかりする長いながい下りエスカレーター
なめらかに刻みおりていく
足をふみいれる代わりに
落ち葉をステップにのせよう
(そこに私がのっても進まないだろうし
 流れを堰きとめ パンツまでびしょぬれになるのは
 わたしだけだ
 だから しない という そのかわり)
という 景色を窓ぎわ

寒いと 思いもよらなくなる
単位がおおむね プラス基準でつくられるということを
気温
その逆では
けして測りえない価に
目をむけていたいのだ

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ぽたぽた




ぽ ぽ
    ぽ
  ぽ   た 

ぽ ぽた ぽ

 ぽた た
     た
       た


お ちる した たる
えきたい きたいへきたいへきた
いきたいへ きたいへ きた いへ きた いへきたい
お ちる した たる



た た た た た た

まるいあと なみうつふちどり


おちた あと たれつ る あと

た た た た た た

いろよりも そのかたちの
めはきいた そのおとを

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わわく ろらん


さかなが泳いだ
ちいさな波を切った
そらのその跡はすかさず隙あわさっていく
その そらの
なみだ

目玉はいつもさけんでいる

これではきつねの嫁いりにもならない
かわいいひとりごとを手のひらにうけて
ものをながめ疲れた目が負けじと潤おうとするのを
架空の意識しない液体をままたたえ見あげる

何も見るまいと決してしまった虹彩が身づくろい
窓そうじに余念のない雨
目を閉じるとしんしん ながれる
実在の随意の液体は沁みてめぐった

乾いているのだ だから吸いこんでしまったのだ
干からびた川のかたちを しもやけのどこかにうかべては
きっととらえているのは色よりもそのとおさ
もう どこにでもいってしまえ

ま新しい昨日のうえを はしっていく きかんしゃ
雲よりもはやく とおり過ぎた
たかくたかく ああそっちはあさっての方角か
つまりは なにもつかまえられていないのだった

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